戦後の日本経済
敗戦国はいずれもゼロから出発するという、ある意味においては"有利さ"をもっていたということができます。
いま"有利さ"とのべましたが、そのなかには産業施設が戦争によって破壊されて、より高い技術水準をもった新しい設備を導入することができたという事実も含みます。
・・・たとえば、日本の産業は戦時中、設備が人為的に撤去されたり、原料や労働力の不足から操業短縮に追い込まれていました。
爆撃による破壊も当然ありました。
1951年当時の工業設備のうち1940年以前に設置されたものが大半を占め、しかも減価償却が十分に行なわれていなかったため、能率は30%以下に低下していたともいわれています。
戦後、生産を本格的に再開することになると、欧米の進んだ技術、設備を取り入れる必要がありましたが・・・
実際問題として設備がなくなっていたので、戦争中に進んでいた海外の技術を積極的に取り入れ、また新しい設備をつくることができたのです。
ところが、戦勝国のアメリカやイギリスの産業は、すでにもっている生産設備を稼働するわけですから、生産性が優位になる可能性は明らかに日本側にありました。
繊維工業の場合が最も典型的なケースとして取り上げられていますが、金属工業、機械工業でも同様な事態でした。