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2010年11月 アーカイブ

コメの大凶作 7

コメの大凶作と、それにつづく緊急輸入。


さらには自由化への部分開放の決定というコメをめぐる激しい動きは、これまでの流通地図全体を大きく書き換えさせる契機となりかねないものでした。


卸や小売といった流通部門が、93年の大凶作によってどうなっていたのでしょうか。


そのあたりを探っていきましょう。


客のまとめ買いにより、小売店の店頭からコメがなくなってしまったり、店の前に客の長い行列ができるといった異常事態が、一時、各地で発生しました。


この消費者のコメパニックは、93年9月にまず青森県で勃発し、その後、岩手県、宮城県へと南下。


10月下旬には福島県と山形県にも飛び火しましたが、これは新米が出回るとともに沈静化しました。


しかし、11月下旬に千葉県内で同じような現象が発生するなど、コメの需給の不安は完全には解消されてはいませんでした。


コメの大凶作 8

こうしたパニックが発生したのは、いずれもコメの生産地でのことでした。


大消費地の東京などでは、店頭からコメが消えることもなく、石油ショック当時のトイレットペーパー騒ぎの再来とはならなかったのです。


初めての客への販売を断る店や、1人2袋までと制限を設ける店などもありましたが、大きな混乱は生じていません。


なぜコメパニックが消費地ではなく、生産地で発生したのでしょうか。


「小売店でパニックが起きたのは、農家がコメを買いに走ったのがきっかけだ。ほかの県でも同様だ」


宮城県経済連の幹部は、簡潔にこういいきりました。


空前の大凶作により、生産者である農家が消費者となってしまい、これまで行ったこともなかった小売店に足を運びコメを買ったため、需要が急激に上昇。


供給が追いつかなくなったというわけなのです。


もっとも、この幹部はもう少し専門的な分析もつけ加えてくれました。


それによると、農家がコメを買いに走ったのは、自分達の家で食べる分すら収穫できなかったからという理由だけではなく、収穫したコメを玄米のままでとっておくため、自分達の家で食べる分を小売店で調達したのだといいます。


先ことを考え、保存のきく玄米を自分の家の蔵に入れておき、当面は小売店で買った精米を食べるということです。

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