日本を代表するターミナル・・・上野駅~JR東日本 東北本線
現在の上野駅舎は関東大震災で焼失した初代駅舎をついで昭和七年(一九三二)に建てられたコンクリート建築の大作である。
押し出しのいい柱を並べた堂々たるファサードは当時流行した歴史主義建築の流れを汲み、両翼に事務所棟を従えた大陸の駅を思わせる雰囲気をもっている。
今ではその機能は失われてしまったが、正面出入り口を上下二層に分け、上を入口に下段を出口とした立体的な設計だった。
駅舎としては両国駅や小樽駅に通じるデザイン・ポリシーで、大量の人と物をさばく合理的な都会駅の先駆をなした。
果てしもなく増改築がくりかえされ、雑然とした印象が強い上野駅だが、正面入口の回廊のあるホールはいまでも宮殿のような建築空間をかたち造っている。
現在、ここに六十階建の超高層ビルが計画されているが、なんらかの形で残すべき歴史的な駅舎である。